そのあと、このあと・・・
ファンタジーの存在を殺したい女の子の投げたボールは下手投げで黄色いトレーナーがくるくる回った。ボールは粘性の池に落ち、ネズミ色の液体が五秒後に閉じた。池の脇から手を突っ込んでボールを返してあげると彼女はけたけた笑って私を見た。
フロントガラスがなければよかった。
名前を憶えて、はじめて花が見えた気がした。ハクモクレン。
新しい空気、それとも。
ちらかしちゃった。
ブロンズの夕刻。ほんとうの空の色。