2008年11月4日火曜日

土下座

自転車でスロープを下った先には赤鬼と青鬼が待ち構えていた。
私はそれを知っていた。
もう何キロも前から狼煙が上がっていたからだ。
フェンスの横から尻尾がはみ出して、
それを見たから笑みがとまらない。

私は死ぬことになっていた。
槍に貫かれて死ぬことになっていた。
駅の改札口を抜けるとそいつは待っている。
二股の槍を構えている。

赤鬼たちは素通りさせてくれそうになかった。
だから私は彼らに土下座して頼むことにした。

駅はもうすぐだ。

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