2008年10月6日月曜日

夏目友人帳

アニメ『夏目友人帳』が面白かった。
「コードギアスより面白い」というのはあながち嘘ではなかった。ジャンルはずいぶん違うけれど。

主人公の少年夏目は強い妖力を持ち、妖怪が見えるだけでなく彼らと話すことができる。しかし人からは気味悪がられるのでこの能力のことを他人に話すことはない。
夏目と似た資質を持つ友人田沼君とのエピソードが良い。
田沼君も妖怪を感じることができる友人だ。しかしその能力は夏目よりも劣っており、夏目に見える物が田沼君には見えない。夏目は田沼君にかすかに期待し、失望し、気遣い、やがてお互いに理解していく。
その過程が穏やかに、かつリアルに描かれていて感心した。
これ以外のエピソードも「私に見える物があなたには見えない」あるいは「私にはあなたが見えなくなった」が物語の核になっている。よく考えたら恋愛モノの定番設定ではないか。

作品の舞台がまた印象に残った。
時代的には現代に近いと思うが携帯電話は出てこず、男子学生の髪型以外は「昭和」の雰囲気。
学校がある町はかなりの田舎。通学路が舗装されておらず、夏目の家に向かう分かれ道には道祖神がある。家からちょっと行くと魑魅魍魎の跋扈する森。中心街にはゲームセンターくらいはあるようだ。
気に入ったのは、田舎のわりに「自動車」の存在が希薄なこと。
鉄道は出てくるが画面を乾いたトーンにする幹線道路は出てこない。だから、この手の物語にありがちな、「妖怪(自然)対人間」という図式はほとんどない。妖怪は人間と同じくコミュニケーションの対象なのだ。ちょっとうじうじしたコミュニケーションだとしても。

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